研究・研究成果
全所的プロジェクト
全所的プロジェクト研究
全所的プロジェクトとは
社会科学上の重要な研究テーマを討論を通じて自ら設定し、法学・政治学・経済学・社会学などを結合した学際的研究を、研究所内外および国内外の研究者との共同研究のかたちで遂行します。数年間の研究期間を経て、その成果を刊行します。
2026~2030年度の全所的プロジェクト研究
分断を超える:多様性と民主主義の社会科学
2026年より、東京大学社会科学研究所の新たな全所的プロジェクト研究「分断を超える:多様性と民主主義の社会科学」が発足しました。プロジェクト期間は5年を予定しています。
21世紀に入り四半世紀が経ついま、私たちの社会は、多くの深刻な問題が相互に絡み合う複合的な危機に直面しています。たとえば、気候変動、経済格差の拡大、権威主義とポピュリズムの復権、そして国家間戦争の再燃によるリベラル国際秩序の動揺など、枚挙にいとまがありません。これらの問題を一層複雑にしているのが、個人間や国家間の意見対立により生じる、社会や政治の「分断」です。
本プロジェクトでは、社会科学の知見やツールを総合的に活用し、現代社会における分断の原因・構造・帰結に光を当てます。性別、民族、宗教、所得、職業、世代、国籍などによる分断はなぜ起こるのか。分断が乗り越えられるべきものだとすれば、それはいかにして可能なのか。分断の進む社会における民主主義の在り方とはどのようなものか。AI、気候変動、グローバルサウスの台頭といった地球規模の変化による影響はどのように把握され、また、どのような処方箋を描くことができるのか。そして、分断のはざまで生じる個人の葛藤や苦悩にはどのように対処できるのか。
こうした様々な問いに対する答えを追究しながら、本プロジェクトは、法学・政治学・経済学・社会学などの諸領域を横断する議論を展開し、「分断を超える」ための方途を探究します。
2021~2024年度の全所的プロジェクト研究
社会科学のメソドロジー:事象や価値をどのように測るか
2021年より、東京大学社会科学研究所の新たな全所的プロジェクト研究「社会科学のメソドロジー:事象や価値をどのように測るか」が発足しました。このプロジェクトは、AIやビッグデータによる方法的革新によって、社会科学がどのように変化しているかを再検討するものです。
その際特に多様な社会科学が、事象のみならず主観的な価値や選好をいかに「測る」かに注目します。このことを通じて多様な価値を可視化し、社会状況を理解するとともに、「測る」ことの誤用や政治利用をチェックすることがその目的です。
この全所的プロジェクトは、「測ること」の社会科学、COVID-19と社会科学、法学の方法、社会科学の哲学の4つのサブプロジェクトから構成されます。各サブプロジェクトは相互に連携しつつ、協働して最終的な成果を目指します。さらに理系を含む東京大学内の他部局の研究者とも連携し、新たな文理融合の学問の可能性を模索します。プロジェクト期間は4年を予定しています。
このプロジェクトは、社会科学研究所が創立75周年を迎えるにあたって、あらためて社会科学の方法それ自体を対象に据え、21世紀の今日にふさわしい社会科学のあり方を再検討することを目指します。
これまでの全所的プロジェクト
| 期間 | テーマ |
|---|---|
| 2021~2024年度 | 社会科学のメソドロジー:事象や価値をどのように測るか |
| 2016~2019年度 | 危機対応の社会科学(危機対応学) |
| 2010〜2013年度 | ガバナンスを問い直す |
| 2005〜2008年度 | 地域主義の比較研究(Comparative Regionalism Project(CREP)) |
| 2005〜2008年度 | 希望の社会科学(希望学) |
| 2000〜2004年度 | 失われた10年?—90年代日本をとらえなおす |
| 1994〜1998年度 | 20世紀システム |
| 1987〜1992年度 | 現代日本社会 |
| 1986〜1988年度 | 転換期の福祉国家 |
| 1981〜1985年度 | 福祉国家 |
| 1975〜1980年度 | ファシズム期の国家と社会 |
| 1971〜1975年度 | 戦後改革 |
| 1964〜1968年度 | 基本的人権 |
これまでの全所的プロジェクトに関する記録として、土田とも子(編)『全所的共同研究の40年Ⅰ-インタビュー記録編-』(社会科学研究所研究シリーズNo.42)及び、『全所的共同研究の40年Ⅱ-資料編-』(社会科学研究所研究シリーズNo.40)を刊行しました。『全所的共同研究の40年Ⅱ-資料編-』をPDFファイルにてダウンロードできます。